クシロ薬局

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咀嚼(そしゃく):食事

この頃気になったことは、病気の人程あまり噛まない、短命のひとほど咀嚼回数が少ないことです。

そこで「経営情報」96年1月号より堀田宗路さんか書かれた<健康はつらつ倶楽部−医食同源3>の縄文人の下あごが語る〜よく噛めば歯も体も脳も若返るをみてみますと。

1500年前の古墳から発掘された縄文人の下あごの骨(下顎骨)と、現代人のそれとを比較すると愕然とする。なよなよとした現代人の下顎骨に対して、古代人の下顎骨はたくましく、いかにもしっかりとしている。しかも、虫歯がなければ歯周炎もない。縄文時代に飼われてい た柴犬の下顎骨と、現代の柴犬の下顎骨を比較しても同様な結果が出ている。これはどうしたわけか。

現代人も現代の犬たちも、よく噛まずに食べるようになったからだ。昔は硬い食品がたくさんあったので、人も犬もよく噛まなければ食べられなかった。よく噛んで食べると、下あごがしっかりする。また、口の中がきれいになり、歯垢が歯に付着するのを防いで虫歯や歯周炎になりにくいのだ。

現代人の咀嚼回数がいかに少ないかが最近の研究で具体的にわかってきた。

神奈川歯科大学の研究グループが、卑弥呼(弥生時代)・源頼朝(鎌倉時代)・徳川家康(江戸時代)・また第 二次世界大戦前の食事を復元し、その咀嚼回数と現代の子供たちのそれとを比較検討してみたのだ。

すると、一番よく噛んで食べていたのは

卑弥呼の時代で、噛んだ回数は3990回で、食事時間は51分。

2位は源頼朝の時代で、2654回、29分。

徳川家康、戦前と続く。

最後の現代の子供たちは620回、11分で、

極端に回数も時間も短く、卑弥呼の6分の1、戦前の半分だった。

現代にはハンバーグ・カレーなど、よく噛まずに食べられる料理が氾濫しているので、噛む回数が減ったとしてもしかたがないではないか、と反論する人もいるだろう。

しかし、よく噛ま ないとソンをする。よく噛んで食べると、それだけで体が健康になるからだ。咀嚼回数が多くなると、唾液がたくさん出る。

この唾液に私たちの体に有効な働きをする成分がたくさん含まれているのだ。たとえば、唾液に含まれる「ムチン」という成分は食品を飲み込みやすくする以外に、食品の刺激を抑えて、胃の負担を軽くする。

「アミラーゼ」という成分はでんぷんを分解する。

「ガスチン」は味覚を敏感にし、食事をおいしくする。

「リゾチーム」「ラクトフェリン」などは、侵入してきた細菌をやっつける。

中 でも「EGF(表皮成長因子)」と呼ばれるホルモンは、細胞分裂を促進する。

よく噛んで「EGF」がたくさん分泌されると、新陳代謝が活発になり、体が若返るのである。

また、よく噛むと老人性痴呆症の予防にもなる。噛むときに使う筋肉がよく活動していると、 大脳の機能である記憶、認識、思考力、判断力、集中力が高まるのだ。

「鶴亀の齢願わばツルツルと飲まずかめ、かめよかめかめ」。

昔の人はうまいことを言ったものである。

と結んでいる。

至極もっとも。

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