自然な習慣としての運動の不足は、食べ過ぎに次いで、虚弱と不健康の主たる原因の一つだ。
文明社会の不自然な状態は、ある者たちには過酷な肉体労働という過重労働を強いり、他の者たちには屋内の座業に追い込んでほとんど不活動の状態を強いてきた。
この両極端の釣り合いをとるには、規則正しく矯正的な運動が必要だ。肉体的に骨の折れる仕事をしている人はたいてい、自分は特に運動をする必要がないといいう感じを抱いている。
しかしこれは誤りで、労働時時間中におろそかにされていた部分をすべて活発に動かす運動及び動きで打ち消す必要がある。
重量あげ、ボクシング、レスリング等の激しい体育運動や離れ技的な運動競技は、正常な発育と長生きに資するものではない。
激しく過酷な肉体労働、長時間にわたって継続して行なう体操及び運動訓練は、生命維持に不可欠な臓器や脳及び神経系を犠牲にして、体の筋肉組織を過度に刺激し、過度に発達させることになる。(プロレスラー、相撲とり、ボクサーなどが短命なことでもわかる)
そして「筋肉が発達し過ぎて硬くなった」状態をひき起こすが、これは、肉の多い部分でうっ血を生じさせ、体の生命維持に不可欠な臓器、脳、神経系に欠陥を生じさせることだ。
これは体をすさませ、やがては、容貌のすさみ、不釣り合いでゆがんだ体格、知性及び審美眼の発達の阻害といった形で外に現われる。
以上の理由で、自然な治癒の哲学では、精力的な運動をすることには賛同せずに、もっと軽い形態の生理的な運動に心理的な運動を組み合わせたものをすすめている。
運動は、水治療法、マッサージ、整骨療法と同様の効果を体に及ぼす。
組織内の病気を起こす堆積物をかきまぜ、血液循環を刺激し、肺を発達させて酸素の摂取量をふやすが、中でも最も効果的なのは、皮膚、腎臓、腸、気道を通じて老廃物及び病気を起こす物質の排泄を促進することだ。
それに、充分に適合させた全身運動は、脊椎の転位や身体のその他構造部分の矯正に役立つ。
収縮して硬くなった筋肉と靱帯をゆるめて柔軟にし、衰弱して異常にゆるみ過ぎている組織を強くする。
定期的に運動をすると、血液の備蓄がふえ、吸収が良くな必要な全臓器の排出作用が良くなる。
系統だった運動と深呼吸との組み合わせによって、体内の電磁エネルギー大いに促進され、体内で同調するようになる。
頭脳労働者や座業に従事する人々にとっては、系統だった運動は絶対に必要なものだ。
彼らには呼吸体操と矯正のための動作が毎日必要なだけでなく、いかなる天候状態でも毎日定期的に散歩をしなけれぱならない。これを忠実に行なわないと、血液の循環が悪くなって排泄器官の働きが不活発になる。
体の細胞及び組織が病気を起こすじやま物で徐々に詰ま心身が劣化する。
エドガー・ケイシーは運動について次のように言っている。
「各人誰もが、日々の決まりきった営みを中和するための運動をして安楽になるのがよい。」(416−1)
「次に、充分に成熟した体になりなさい。朝夕、特定の、一定の運動をしなさい。体を心身ともに疲労させなさい。
そうすれば、排泄されないものが原因で、睡眠、無力、体内に毒素がある状態を生じさせているものが消滅し−−体が食事に好反応を示すようになる。」(341−31)
「誰もが時問に従った予定を組むのが一番良い。勉強に何時間、くつろぎに何時間間、精神的な労働には何時間、肉体の活動には何持間、読書に何時、社会活動に何時間−−というふうに設定しなさい。それぞれがより良きバランスを生み出す一助となるのだから。」(440−2)
リーディングが説明している運動は、単なる動物的な強さを得るためではなく、筋肉コントロール、血液循環の柔軟性及び改善、生命維持に不可欠な各機能の働きの増大を目的としたものだ。以下のパラグラフでは、選りすぐった矯正のための動きと、エドガー・ケイシー・リーディング中に示されている数種の動きを呈示する。
それぞれが、単純な運動から相当な敏捷さ及び努力を要するものへと徐々に変化する。
これらの運動は、かわるがわる行なうのが常に最良のやり方だ。つまり、特別な注意が必要な体の部分及び臓器の総合的な発達並びに特別な練習をするという意識を持って、各人の状態に適した、例えば6〜7種類の動きを選ぶということだ。
運動にどれだけの時間を費やすかは自分次第だ。はじめの1週間は、選んだ運動を毎日行なう。
次の週は別の運動を6種類選び、第3週目にはもう6種類追加するという具合に、ここに挙げたリストに他の運動を追加して自分の二ーズに合うものにする。
次には、再びはじめから同様のやり方で始める。同じ運動を毎日行なうよりもこのほうが良い。
これによって、体の総合的な発達が促進されて興味が保たれるため、だれることがない。
「朝起床時に体力づくりのための運動を行なうのが良い。これは、肺には力を、血夜には活力を筋力には新しい生命をもたらすからだ。そこで朝起床時に少なくと毎朝服を着る前に、ゆっくりとつま先立ちになり両腕を緩やかに頭上に伸ばして真っ直ぐに上を指すようにする。同時に頭を出きるだけ後方に曲げる。これをゆっくりと弛めると、腹部から横隔膜まで、そして肺、頭、首筋までの全域の血液循環をよくするのに役立つ。そこで力をゆるめ、頭をできるだけ前に傾けて胸につけようとし、それから再び頭を上げ、今度は右下方にできるだけ傾ける。再び頭を上げ、左に傾ける。それからまっすぐ立って両手を腰に置き、頭を円を描くように右へ2、3回まわす。それから体をまっすぐにすると−−口、頭、目のあたり全体のすべての障害が変わって、全身の働きが改善される。」(470−37)
「朝、服を着る前に、上半身の運動をしなさい−−両腕を上下に揺り動かし、まっすぐに上げ、まっすぐに下げる。次は、両腕を揺り動かしてまわす回転運動で、これは横隔膜から上第9胸椎から上の運動なので、これらの運動によって、胃のもたれと、疲れやすい傾向がなくなる。」(2454−2)
「運動、とりわけ体力をつけるための運動を毎日根気強く行ないなさい。散歩は良い運動だ、それにテニス、クロケット、乗馬、水泳等の戸外でのすべての活動。これらはすべて良いが、体力づくりのための運動を朝タ2、3分間ずつ、それから少なくとも週に3回は腹部の運動を行ないなさい。」(1206−16)
「この体にとって最良の運動は、猫、あるいはパンサーがやるように伸びをすることだ。筋肉を引っ張らずに伸ぱせば、腱と筋肉が自然な位置に収まって強くて優美な体をつくるのに役立つ。」(4003−1)
「猫の伸びほど良い運動はない。これは当然のことながら、股割ができるし、頭を足にのせられるし、頭の後ろに足を持っていけるし、頭と首の運動によいすべての動きを行なえる当面の発達と目下のところに存在する状態にやさしく取組、朝夕辛抱強く目的を持って行なうように。」(681−2)
「直ちに必要でもないのに別の部位を害するほどにある部位を過度に働かせるのは、運動によって体に資するどころか妨げとなる。運動は素晴らしく、また必要でもあるが、系統だったやり方で必要なだけ行なっている人はほとんどいない。常識と思慮を働かせなさい。」(283−1)
「元気になる最良の方法は、運動することだ。」(200−3)
「問.体に一番良いのはどういう種類の運動ですか?」
「答.散歩が最良の運動だ。自転車こぎは静止したものを使っても戸外で実際に乗っても良い運動だ。これらは他よりも良い運動だ。外での活動のほうが良い。」(2090−2)
「再度言うが、肉体のためのレクリエーションの時間を持ちなさい。これを一日とか、週に一日やるだけではいけない。毎日5分以上の散歩がたとえできない状態でも、そうするようにしなさい! そのほうが、1時間の激しい運動を日に1回、あるいは週に1回やるよりも良い! 散歩ほど良い運動はない!速く歩かなくともよいが、戸外に出て、動きながら体を揺らしなさい−−それが体に良い。」(257−217)
「散歩は良い、特に戸外で行なうのは良い−−水泳は何よりも良い。これが良いのは、水泳ではすべての筋肉の力が働かされるからだ。」(920−11)
「だが、総合的な運動−−つまり、頭を、後ろに、前に、左右に、まわす運動と水があれば、これらが、体の働きの、いわぱ電池の力の再充電を行なってくれる。」(1554−4)
「交感神経系のこの厄介な状態については、頭と首の運動を行なえば、頭、眼、口、歯のこれらの緊張は緩和されるだろう。この運動は、定期的に、朝、服を着る前に行ないなさい。」(470−37)
「有毒な力というプレッシャーをなくせぱ視力はよくなる。また、頭と首の運動もたいへん有益だろう。毎朝毎晩この運動を定期的に6カ月やれぱ、相当な違いがでてくる。座って身体を真っ直ぐにし、頭を前に3回、後ろに3回、右に3回、左に3回曲げて次に左右両方とも3回ずつ回す。早く終えようとせずにちゃんと時間をかけて行うこと。そうすれば成果は上がる。」(3549−1)
「問.拡大鏡を使わずにすむように目を強くするにはどうすればよいですか?」
「答.毎朝20〜30分間戸外を歩きながら頭と首の運動をすればよい。雨が降っていて外出できなかったとか、用事があるとか言って朝の散歩を怠ってはならない。続けること。」(2533−6)
「痔という特殊な状態にとって一番良いのは定期的ば運動することで、痔は−ひとりでに−治る! つま先立つと同時に両腕を上げ、次に前にかがんで両手を床に向かわせる。これを朝3回、夜3回おこなう、定期的にやりなさい!」(2823−2)
「より良き変化は食べるものを良く吸収することによって内部から生じるべきもので、これは、両腕を頭上に伸ばす運動で改善されるが、棒にぶら下がるのも良い。食べるたびに外に走り出て棒に飛びかかるということではなく、活動する時に定期的にこれらの運動をしなさい。これらは胃の中の流れを活発にして食べたものがその中で浮けるようにしてくれるのだから」(2072−14)
「運動としての腹部の伸びは壁に足をつけて行なう。床に両手をつき、体を上げてまわす。これによって、腹部と腰が正しい位置に保たれ、脇及び腹部全体の筋肉が、骨盤、腹部の全臓器の働きをより良くする状態に保たれる。」(1206−16)
「かかとをつけて立ち、徐々に爪先立ちになる。これを6〜10回くらいゆっくりと行なう。この下半身の運動を行なう間、腕も徐々に上げる。これは、これらの部位の血液循環を良くするためだ。」
「この状態は、背中下部及び腰部に圧力がかかり下肢の血液循環が悪いために生じている。これは、正しい運動と、排泄をきちんと行なって消化管をきれいにすることによって緩和される。体を曲げる運動を毎朝時間をかけて行ない、きちんと排泄をすれば、の状態は是正される。」(417−2)
「(特定の種類の)オイルを塗ってマッサージするとよい。また毎朝靴を履く前に行う運動も(但し毎日行うこと)かかとを付けて床に立ち、徐々に爪先だってジャンプする。」(3381−1)
「日に2回起床時及び就寝時に爪先立ちをする。朝は靴やストッキングを履く前に行う。腕を上げて、爪先かかとに重心を移しながら身体を前後に揺する。身体が高く上がるにつれ腕もしだいに高く上げる。この種の運動が非常に有効だ。」(1620−3)
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